Vantage Data Centersは、Heron Power Electronicsが製造するソリッドステート変圧器Heron Linkについて、自社のハイパースケールキャンパス向けに1 GWを超える製造能力を確保しました。両社は10月21日にこの合意を発表しました。Heron Linkは系統から中電圧の電力を受けてラックに800 V DCを供給する装置で、エネルギー貯蔵を内蔵しています。
機器の列を一つの箱に
従来のAIホールでは、電力は一連の機器を通ります。中電圧スイッチギヤ、480 V ACに降圧する鉄心変圧器、バッテリー付きのUPS、分電盤、そして最後にACをDCに変換するラック電源です。どの段階でも効率、床面積、据付時間が少しずつ失われます。Heronの考え方は、その大半を省くことです。同社は中電圧から800 V DCまでで98.5%を超える効率を目標とし、480 V ACの構成に比べて機器、スペース、材料、工数が少なくて済むとしています。
詳しい内容は、2月のHeronの資金調達の際に明らかになっていました。TechCrunchは当時、各ユニットの定格は5 MWで、約30秒分の給電ができるリチウムイオン電池を搭載していると報じました。非常用電源への切り替えをつなぐには十分で、データセンターはUPSなしで済む可能性があるというものです。Heronはこのラウンドで1億4,000万ドルを調達しました。主導したのはAndreessen HorowitzのAmerican DynamismファンドとBreakthrough Energy Venturesです。同社は年40 GWの変圧器を生産する工場を計画しており、試験生産は2027年初めの予定です。創業者のDrew Baglino氏は、Teslaでパワートレインとエネルギー部門のエンジニアリングを率いていました。
今回の発表では、最初のユニットがいつ、どのVantageの建屋に入るのかは示されていません。HeronはNvidiaの800 V DC MGXエコシステムの一員です。Vantageは、高密度のAI容量をより速く、より効率的に展開する方法を顧客が求めているとしています。
エンジンが引き継ぐまでの30秒
非常用電源を担当する立場からすると、ライドスルー時間は二度読み返したくなる数字です。バッテリーが30秒分しかなければ、発電機セットにはほとんど余裕がありません。その時間内に始動し、定格回転数に達し、負荷を取らなければなりません。毎回、それも何週間も待機した後の寒い朝でも同じです。UPSがなければ、数分間のバッテリー自律時間を持つホールに比べて、発電機セットとその補機、つまり始動用バッテリー、燃料、ジャケット水の加熱と冷却にかかる負担が大きくなります。
次に負荷そのものの問題があります。Heronは、内蔵の蓄電がAI学習負荷の速い変動を吸収するとしています。停電時に発電機が受ける負荷もそれで平滑化されるのか。また、ソリッドステート機器が強い系統ではなくエンジンから給電されたときにどう振る舞うのか。いずれも、データセンターの電気設計を固める前に両方のサプライヤーに確認すべき点です。
まだ量産に入っていない工場から1ギガワットを確保するのは、その工場の工程に賭けることです。計画どおり2027年に試験生産が始まれば、Vantageはこの考え方が大規模でも通用するかを最初に確かめる一社になります。
出典:VantageとHeron Power(Business Wire)、The Fast Mode、TechCrunch
