大規模なデータセンターの裏手には発電機がずらりと並んでいるもの、と業界では考えるのが普通です。ジョージア州フェイエットビル、アトランタ南部にあるMicrosoftのFairwater AI拠点は、GPU群向けに発電機を置かずに建設されました。10月29日に公開されたGCNのレポートは、この設計をあらためて取り上げています。Microsoft自身、昨年11月にAIデータセンターネットワークを発表した際にこの設計を説明していました。
発電機を外した理由
Microsoftは、アトランタを選んだのは電力会社の供給が堅牢だからだと述べています。同地の系統は可用性が高いため、GPUホールには現地発電、UPS、二重給電の配電は不要だというのが同社の主張です。Microsoftによると、この方式で3ナインのコストで4ナインの可用性を実現でき、費用を抑え、容量を稼働させるまでの期間も短縮できるとしています。GCNは当然の限界を指摘しています。この方式が成り立つのは、地域の系統が強い場所に限られます。系統が弱ければ、同じ設計は成り立ちません。
負荷変動への対処
大規模な学習ジョブでは電力需要が急に上下し、系統はそれを好みません。Microsoftは、パートナーとともに3つの対策を講じたと説明しています。メインのジョブが止まったときに補助的な処理を走らせるソフトウェア、GPU自身が電力上限を保持する仕組み、そして系統から余分に引き込むことなく変動をならす現地のエネルギー貯蔵です。Microsoftによると、冷却ループは閉鎖式で、水は蒸発させずに再利用し、熱は非常に大規模なチラープラントから放出されます。
拠点の規模は公式には明らかにされていません。GCNは、トラッカーのEpoch AIが約304,000基のGPUと636 MWと推計していると引用しています。Microsoftはチップ数もメガワット数も公表していません。この拠点は2025年10月に稼働を開始しました。
誰にでも当てはまる型ではない
これは、一つの事業者が、並外れて信頼性の高い電力会社の管内にある一つの拠点で下した判断です。大半のキャンパスや、系統に制約のある地域では、バックアップの問題は残りますし、系統が落ちたときに冷却プラントを何で動かすのかという問題も残ります。GPUホールには発電機が要らないとしても、その周りのチラーや制御系は停電時にも動き続けなければなりません。だから、市場のそれ以外の部分では発電機が引き続き選択肢に残ります。当社のデータセンターのページをご覧ください。許認可や規則がバックアップ側にどう影響しているかについては、バージニア州の規則に関する当社のレポートもあります。
