データセンターは、系統に電力を求めるのが当たり前でした。そのOpenAIが今度は、電力の一部を系統に差し出すと言い出しました。同社は11月2日、Grid Protectors Programを発表しました。自社で開発する米国のキャンパスは、異常気象などで地域の系統が逼迫した際に、電力使用量を減らすというものです。最初の対象は、ジョージア州エフィンガム郡に計画されている約3.2 GWのキャンパスです。
待機する1ギガワット
ジョージア州では、この取り決めがすでに契約になっています。州の規制当局が8月下旬に承認した25年契約により、OpenAIはGeorgia Power向けに最大1,000 MWの柔軟な需要を提供することになっており、OpenAIはこれを約70万世帯の平均使用量に相当すると説明しています。これは、このキャンパスが見込む使用量のおよそ3分の1です。キャンパスはまだ建設中のため、この数字は契約上の能力であり、実際に使われたことはありません。また、提出された契約書は一部が黒塗りになっています。
ほかのサイトについては、どれだけの負荷をどれだけ速く、どれだけの時間落とせるかを、電力会社ごとに協議して決めるとOpenAIは述べています。2か所目の場所はまだ明らかにされていません。同社は、キャンパスに必要な送電線と供給サービスの費用を全額負担するとしており、コンピューティングキャンパスの電気料金を家庭や小規模事業者に負担させるべきではないとの立場です。
負荷削減の方法
OpenAIはこれを明らかにしていません。サイトによっては、現地の発電機や蓄電池から系統へ電力を戻す場合もあると述べていますが、それはあくまで可能性であり、原則ではありません。どの処理を遅くするのかについても触れていません。一方のGeorgia Powerは、柔軟な大口需要家のおかげで新規発電設備の建設を減らせると見ており、2029年から顧客に年間約9億5,000万ドルの節減効果があると試算しています。ただし、これは電力会社自身の予測であり、消費者団体は前提に疑問を示しています。OpenAIも、デマンドレスポンスは新しい発電所や送電線の代わりにはならないと認めています。
発電機を巡る論点
系統からの要請に、自社のエンジンやタービンで一部応えるのであれば、その設備は純粋な非常用ではなくなります。現在は時折の試験運転を前提に定められている運転時間、排出基準、騒音許可が、実際の運転にも対応する必要が出てきます。州によっては規制も厳しくなっており、バージニア州はその一例です。純粋なバックアップ設備では想定されない運転時間に備えて、発電機室の冷却と換気も検討しておく必要があります。これは早い段階で確認すべき設計上の問いです。データセンターのページでは、これらの設備がキャンパス内のどこに位置するかを示しています。
出典: The Next Web, Data Studios
